第10回は「凍瘡(しもやけ)」です。
「しもやけ」には、どのくらいの気温でなりやすいですか?
気温が5℃前後で、一日の中での気温の差が10~15℃となる秋の終わりから冬のはじめにかかりやすいです。
どのような症状がでますか?
子どもでは、ゆびが全体に紫色に腫れる「T(たる)型」、おとなでは、小型のむくみが多発する「M(多形滲出性紅斑)型」の症状が多いです。症状が強いときには、みずぶくれができたり、潰傷をつくったりします。かゆみが強くて病院にいらっしゃる患者さんが多いです。鼻のてっぺん、ほお、耳もしもやけのできやすいところです。
治療法は?
血液の流れをよくするために、血管を広げるビタミンEの飲み薬をお飲みいただくことが多いです。また、ヒルドイドソフトなどの保湿剤をマッサージしながら患部に擦り込んでいただくのも大切な治療であり、またこれらの治療が予防にもなります。かゆみが強いときには、かゆみ止めの飲み薬や、湿疹の塗り薬が有効です。
予防するにはどうしたらよいのですか?
手袋や厚い靴下で保温につとめるのが一番です。きつめのものは、かえって血のめぐりを悪くします。また、手足をぬれたままにせず、ぬれた手袋や靴下はすぐ取り替えるのも大切です。顔の場合は、寒い風に直接あたらないようにすることです。特に、スキー場で注意する必要があります。
夏にも「しもやけ」はできますか?
あります。この場合、エリテマトーデスなどの膠原病やクリオグロブリン血症という病気の検査が必要です。
もし、知りたい情報があったら?
当院では、患者様方に身近な皮膚病の情報をおとどけします。
お知りになりたい皮膚病がありましたら、職員にお声をかけていただければ幸いです。