身近な皮膚病Q&A vol.5(第5号 2003年)

第5回は「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」です。

掌蹠膿疱症はどんな病気ですか?

両方のてのひら、足のうらに小さな黄色いぷつぷつがたくさんできる病気です。赤みやがさがさを伴います。みずむしと間違われることがありますが、全くちがう病気です。繰り返し黄色いぷつぷつ(=膿疱)が出てきては皮がむける、慢性の皮膚病です。

 

原因は何ですか?

はっきりわかっていません。不思議なことに、この病気の方のほとんどが歯が悪く、金属の歯冠(カブセ)が多い事実があります。そこで、金属アレルギーが原因かといわれています。また、のどが腫れたときに悪くなることも多く、扁桃との関係がいわれています。

 

ほかにはどんな症状がありますか?

胸鎖関節炎といって、鎖骨のつけ根がはれて痛むことがあります。

 

どのように治療するのですか?

塗り薬としては、強めのステロイド薬、サリチル酸ワセリンなどの角質溶解薬、ビタミンD3軟膏を使用します。紫外線の照射も有効です。症状が強いときは、エトレチナートというビタミンA誘導体の内服薬をお飲みいただくこともあります。

 

歯やのどと関連した治療はないのですか?

金属のアレルギー検査で陽性の場合、歯科医に依頼して、歯冠(カブセ)をアレルギーのない材料に変更してもらう方法があります。60パーセントの患者さんに有効といわれています。また、扁桃炎が悪化因子の場合、耳鼻科にて扁桃摘出を行う方法があります。この有効性は60~70パーセントといわれています。

 

もし、知りたい情報があったら?

当院では、患者様方に身近な皮膚病の情報をおとどけします。
お知りになりたい皮膚病がありましたら、職員にお声をかけていただければ幸いです。

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