身近な皮膚病Q&A vol.4(第4号 2003年)

第4回は「アトピー性皮膚炎はふえているの?」です。

アトピー性皮膚炎は昔からある病気なのですか?

古くは旧約聖書のヨブ記の中に、「ヨプは灰の中にすわり、素焼きのかけらで体中をかきむしった」と、アトピー性皮膚炎のかゆみの強さが書いてあります。また、ローマ帝国のアウグストス皇帝(BC63~AD14)は、象のような皮膚で絶えず掻いており、ぜんそくにもかかっていたと記録されています。

 

いま、日本にアトピー性皮膚炎のこどもはどれくらいいるのですか?

愛知県の調査では、現在3~15歳の小児のアトピー性皮膚炎の有病率は6パーセント強とのことです。

 

アトピー性皮膚炎は増えているのですか?

上記の調査では、1981年では2.8パーセントの有病率であったのが、1992年には6パーセントとなり、その後も6パーセント台をキープしています。また、1980年代にくらべて、1990年代では成人のアトピー性皮膚炎患者さんが増えているようです。

 

どうしてアトピー性皮膚炎がふえているのでしょうか?

根拠のはっきりした理由はわかっていません。住環境の変化(家屋の気密性が増していること)、清潔な環境に慣れすぎて逆に免疫系が過敏になっていることなどが推測されています。

 

アトピー性皮膚炎は赤ちゃん、小児、思春期のどの時期に多いのですか?

4か月児30パーセント、10か月児3パーセント、3歳児20パーセント、中学3年5パーセントとの報告があります。生後間もなくの外界にさらされる時期と、活発になる幼児期に多くその後治って減っていきます。

 

もし、知りたい情報があったら?

当院では、患者様方に身近な皮膚病の情報をおとどけします。
お知りになりたい皮膚病がありましたら、職員にお声をかけていただければ幸いです。

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