身近な皮膚病Q&A vol.12(第12号 2004年)

第12回は「プロトピック軟膏について」です。

プロトピック軟膏とはどんなくすりですか?

アトピー性皮膚炎による、主に顔の皮疹に対して開発された塗り薬です。タクロリムスという免疫抑製剤(臓器移植を受けた患者さんが拒絶反応を防ぐためにのむ薬)をぬりぐすりにしたものです。免疫をコントロールするTリンパ球に作用して、炎症を抑えます。

 

ステロイドとどういう違いがありますか?

血管への作用がなく、ステロイドにみられる血管の収縮やそれに伴う皮膚の萎縮(皮膚が薄くなって赤ら顔になる)の副作用がありません。塗るのをやめてもしばらく効果が続くのも特徴です。

 

副作用は?

塗りはじめの1週間、ほてりやひりひり感があり、慣れるまでがまんが必要です。免疫を抑えるのでヘルペスなどの感染症になった時は、直ちに中止が必要です。また、にきびが少々でやすくなります。しかし、ステロイドにみられる赤ら顔や薬に対する慣れの現象がみられず、現在もっとも顔の皮疹には有効なくすりです。
なお、腫瘍に対する免疫も抑えるため、皮膚の腫瘍の発生が考えられていますが、現在腫瘍が増えるという報告はありません。

 

顔以外には使わないのですか?

体には残念ながらステロイドに比べて効果は低いです。しかし、痒疹という、かゆい虫刺されのような皮疹にはよく効きます。

 

もし、知りたい情報があったら?

当院では、患者様方に身近な皮膚病の情報をおとどけします。
お知りになりたい皮膚病がありましたら、職員にお声をかけていただければ幸いです。

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